Taka Mayumi
2024.5.9 - 5.26
2024年5月9日(木) – 5月26日(日)の期間、写真家 Taka Mayumiによる個展「“t”に関しての思考」を開催いたします。
Taka Mayumiは10年以上に渡ってパリで写真家として活動し、2013年頃からは東京を拠点に商業写真と並行して作品制作を行なっている写真家です。
また、Taka Mayumiは自費出版による写真集を数多く制作し、現在も写真と写真集の在り方を日々模索し続けている写真家でもあります。
本展では今回の為に制作した全て新作の写真作品を発表いたします。
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行きつけのカフェで連続秒針を観察する。強い違和感を感じ、今はないという事を悟った。そこから今回の展示の着想を得る為、書物、ネットの情報を拾い集めていった。その段階で、言葉からイメージが降りてくるという初めての体験があった。それらが今回の展示の元になっている。
特殊相対性理論から量子力学、さかのぼればニュートン力学
時という概念ははるか昔から、歴史に残っている偉大な方々が研究していたと知る。ただ、写真は基本、時を止める機械。いかに時を止め、その情景を手元に残すかを争ってきた歴史を持つ。自分が感じ取った、止まることは決して無いという感覚。今は存在しない。コレをどう表現するか。制作の初期に手を付けたことを後悔したが、自分的に歴史に名を残す写真は止まっていないと悟り、つくっていくことにした。
ミクロの世界まで行くと、過去・現在・未来の区別はつかなくなるという
宇宙規模の距離感の中では、今は無いという概念
光の速度は、重力の影響を受け、変化する
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人間の目が、ものを曖昧にしか見えていないため、時間を感じ、はっきり見えると、過去・現在・未来は区別がつかなくなる
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この文章を読んだときに、なぜデジタルがしっくりこないのかも、わかった気がした。要は、人間の目では認識できないものまで移してしまうが故に、時間を止めすぎていることによる、圧倒的な違和感を感じていたせいだ、と思った。
地上とマンションの上の方でも、厳密に云うと、時間の流れは違うということにも、太陽の光で照らされたものを認識するしかない目には、目の前の対象物でさえ、厳密には遅れて写っているという事を知ったことは、衝撃だった。
偉大な哲学者、科学者がまだたどり着けない領域を、どこまで写真で表現できたかはわからないが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
(作家より本展の作品制作に当たっての断片的なメモ)
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写真を探求し続けるTaka Mayumiの現在を、どうぞこの機会にご高覧ください。
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